Emacs超入門[1]:Emacsの基本的な使い方とショートカットキー 6ページ

コピー&ペーストを行う

 WindowsやMac OSでは、Shiftキーを押しながらカーソルを移動させる、もしくはマウスのドラッグ操作で範囲を指定してコピー/カットが行えた。いっぽうEmacsでは、「C-SPC」(Ctrlキー+スペースキー)というショートカットで選択したい範囲の始点を指定し(mark)、続いて選択範囲の終点にカーソルを移動してカット/コピーを実行、という操作でコピーやカットが行える。また、「C-k」というショートカットではカーソル位置から行末までをカットすることができる(表4)。

表4 コピーやペーストを行うショートカットキー
ショートカットキー 動作
C-SPC 選択範囲の始点を指定する(mark)
C-w C-SPCで指定した位置から現在のカーソル位置までの範囲をカットする
M-w C-SPCで指定した位置から現在のカーソル位置までの範囲をコピーする
C-k カーソル位置から行末までをカットする
C-y カット/コピーしたテキスト等をカーソル位置に貼り付ける

検索/置換機能を使う

 編集中のファイル中で指定した文字を検索するには、「C-s」ショートカットを利用する(表5)。「C-s」を入力すると、ミニバッファに「I-search:」という文字が表示され、テキストの入力が促されるので、検索したい文字列を入力する(図15)。また、ここで文字列を入力せずに再度「C-s」を入力すると、直近のキーワードで再検索が行われる。検索後、その位置にカーソルを動かすにはEnterを、ヒットする次のキーワードを探すには再度「C-s」を入力しよう。また、「C-s」ではカーソルがある位置から末尾に向けて検索を行うが、「C-r」で逆に先頭に向けて検索が行える。また、「M-C-s」および「M-C-r」ショートカットでは正規表現検索が可能だ。

図15 テキストの検索
図15 テキストの検索

 いっぽう、指定したキーワードを別のキーワードに置換したい場合は「M-%」ショートカットを利用する。「M-%」を入力すると、ミニバッファに「Query replace:」というテキストが表示されるとともにカーソルが移動するので、検索したいキーワードを入力してEnterキーを押す。続いて置き換えるキーワードを入力してEnterキーを押そう。すると、入力したキーワードにマッチする文字列がハイライト表示され、カーソルがその位置に移動する。ここで「y」を押すと、そのキーワードが置換され、次にヒットしたキーワードにカーソルが移動する。また、「n」を押すと置換せずに次のキーワードにカーソルが移動する(表6)。いちいち確認せず、ヒットした文字列すべてを置換するには「!」を入力すればよい。

表5 検索/置換を行うショートカットキー
ショートカットキー 動作
C-s バッファ末尾に向けて検索
C-r バッファ先頭に向けて検索
M-C-s バッファ末尾に向けて正規表現検索
M-C-r バッファ先頭に向けて正規表現検索
M-% 指定したキーワードを置換
M-C-% 指定したキーワードを置換(正規表現を使用)
表6 置換操作時の代表的なキーバインド
キー 操作
y ハイライトされたキーワードを置換し、次のキーワードを検索
n ハイライトされたキーワードを置換せずに、次のキーワードを検索
! すべてのマッチしたキーワードを置換する
q 置換を終了する
? ヘルプを表示する